2006年1月24日 (火)

路面電車の歴史(1)

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 電気で動く路面電車が走り始めたのは1881年、ドイツのベルリンが最初です。その後、 1887年にアメリカ人のフランク・J・スプレーグが架空線から屋根上のポールで集電する現在の方法を考案しました。 それ以来、その簡易さと安全性から、路面電車は爆発的に世界中の都市で走り始めることになりました。

 けれども、1920年代の後半になると、欧米では早くも路面電車の衰退が始まります。その原因は、自動車の登場です。さらには、安価で融通性の利くバスの登場で、路面電車の乗客を徐々に奪っていきました。 モータリゼーションが進むと、道路の渋滞が発生して、路面電車の運行が阻害されてしまい、運行効率が低下してしまいました。

 そのため、路面電車の事業者の経営は悪化、交通混雑を緩和させるために路面電車は次々と姿を消していくことになったのです。1940年代から1950年代にかけてはアメリカが、イギリスやフランスなどでも1960年代までにはほとんどの都市から路面電車が姿を消してしまいました。

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2006年1月23日 (月)

路面電車の歴史(2)

 自動車の利用が増大するにつれて都市に様々な問題が生まれてくるようになりました。道路渋滞による都市機能の低下、貧困者・高齢者・移動制約者など交通弱者へのモビリティの不確保、大気汚染等の環境問題、犯罪・交通事故の増大、中心市街地の空洞化などがその例に挙げられます。特にこれらの問題が深刻化していたのはアメリカでした。

 先にあげた問題は自動車だけに依存した都市交通の限界を示すものでした。そこでアメリカでは、都市における交通機関の維持と充実の必要性が指摘されるようになり、当時旧西ドイツで改良が進められていた路面電車に白羽の矢がたち,再評価を行うこととなりました。

 その際「ストリートカー(Street Car)」とか「トロリー(Trolly)」などの従来の路面電車が持つイメージを払拭すると同時に新しい都市交通システムとしてのイメージを作るために考えられたのが、LRT(Light Rail Transit:ライトレール・トランジット)という造語で,車両はLRV(Light Rail Vehicle:ライトレール・ヴィークル)と呼ばれています。

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2006年1月22日 (日)

路面電車の歴史(3)

 総合的な交通システムとしてのLRTの導入は,1978年に導入されたカナダのエドモントンが最初で,次に81年にはカルガリー(カナダ)とサンディエゴ(米国)にも登場しました。

 また、中心市街地の再開発の検討も同時に進められ、車を排除し、公共交通を活かした歩行者専用のショッピング街路である「トランジットモール」の建設が図られました。トランジットモール自体の始まりは1967年にアメリカのミネソタ州ミネアポリスで誕生した"ニコレットモール"で、ここでの成功が都市活性化の手本となりました。

 トランジットモールでは、公共交通はその中で水平に動くエレベーターとしてモール全体を一つの建物のように機能させるとともに、モールに人を呼び寄せる役割も果たして、公共交通と都市中心部の再生にも貢献することになったのです。

 また、お年寄りや子供、身障者や病人、そして乳母車といった社会的弱者=交通弱者に配慮した床の低い低床電車も導入されていきました。低床電車の登場によって、車椅子でも特殊な装置を使わず、歩道上から直接乗り降りが可能となりました。技術開発は進められ、90年代になると特殊な駆動方式を使って床の全ての部分を低くした全低床電車(100%低床車)も登場し、確実にその数を増やしています。

 こうして、LRTは普及していき、約20年間の開業都市は,世界23カ国54都市を数えます(2002年末までの予定)。

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2005年8月25日 (木)

LRT(ライト・レール・トランジット)とは・・・・

 LRTとは「ライト・レール・トランジット(Light Rail Transit)」の略で、路面電車のシステム全体を近代化・ハイテク化した新しい都市交通システムです。

 日本で「路面電車」と聞くと、「古い」「遅い」「懐かしい」という言葉が浮かんでくるのが一般的です。かつては日本の多くの都市で路面電車が走っていました。しかし、モータリーゼーションが進むにつれて、多くの路面電車が廃止されました。これは、日本だけではなく、欧米各国でもその動きは顕著に見られました。

 けれども、欧米では1970年代から新しい都市交通機関としてこの路面電車を着目し、多くの都市で路面電車がLRTへと進化し、活躍しています。さらには、一度は路面電車を廃止させた都市ですら、LRTを新たに復活させたりしています。また、LRTは単なる都市交通機関としてだけではなく、都市中心部の活性化や都市環境負荷の軽減など、都市再生の装置としても評価されています。

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2004年11月20日 (土)

自転車も乗せられる

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LRTとは?

LRTは、Light Rail Transit(軽量電鉄 交通シテム)の略称ですが、フランスでは「トラム」と呼ばれ愛されています。
LRTは旧来型の路面電車「市電」と比較すると高速性・定時性・輸送力の柔軟性など新世代の特性を持っています。LRTとは高性能車両のみを指すのではなく、街づくりのために導入される「人と環境に優しい」電気駆動の都市公共交通システムです。

LRTで用いられている車両は、LRVと呼ばれ交通弱者にも乗降が容易な低い床、街の景色を眺められる広く大きな窓、車椅子やベビーカー用のスペースも備えてあります。
LRTはJR,地下鉄、コミュニティーバスなど他の交通機関との乗り継ぎを容易にし、21世紀の持続可能な社会の実現に貢献できます。

写真はフランス・オルレアンのトラムの中に持ち込まれた自転車。

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