人と環境にやさしい交通をめざす研究会開催
当会と「横浜の公共交通活性化をめざす会」が共催した交通まちづくりに関する研究会が、9月1日にかながわ県民活動サポートセンターで開催されました。今回は都市交通評論家の亘理章氏による『欧州各国が取り組む総合的な都市交通計画と自転車について』を学びました。
亘理氏からは、欧州では古来から移動・交通を重視し、国家や街の発展のために人や物の移動を保障する政策がとられており、モビリティ手段の提供が国・地方自治体の自立支援政策・社会福祉政策や都市再生政策の柱になっていること、また都市計画と交通計画は完全に統合されていて(この点が従来の我が国の交通計画との大きな違い!)、LRTやバスなどの公共交通の整備、自転車道ネットワークの整備、速度規制(ゾーン30など)によるクルマとの調和が図られてきたとのことで、各都市の具体例を基にした様々な話がありました。
亘理氏は8月22日の衆議院国土交通委員会にて、交通基本法案(※)に関する審議で参考人として意見陳述を行い、その際にも強調されていましたが、我が国と大きく異なるのは、歩行者>自転車>公共交通>自動車の優先順位の意識が市民の間にしっかりと確立されている点とのこと。
自転車に関しては、特にロンドンとパリの事例を取り上げ、走行空間がどのように整備されてきたのか、またレンタサイクルの運用やバックアップ体制についても詳しい説明がありました。
当日の参加者は、都市交通や自転車に深い関心のある方々であり、亘理氏からの広範囲に渡る密度の濃い話を受けて活発な質疑、意見交換がなされました。
※ 交通基本法案は9月3日現在、参議院の野田首相問責決議が可決されたあおりで審議ストップとなっている。
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コメント
良い機会でした。交通問題を考える上で、自分が今まで知っていたのとは少し違った視点を与えて下さったように思います。
投稿: masaaki | 2012年9月 4日 (火) 10時58分