横浜みなとみらい地区のロープウェイ
みなとみらい地区の桜木町駅と、ワールドポーターズ近くの運河パーク駅とを結ぶロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」が先日開業し、休日ともなると乗車に数十分の待ち時間を必要とする連日の賑わいぶりです。先日の記事でもお伝えした通り、横浜市が2018年10月に策定した「横浜都市交通計画」の政策目標「都心臨海部を楽しく快適に回遊できる多様な交通手段の提供」に向けた取組みで、公募により、観覧車「コスモクロック21」など「よこはまコスモワールド」を運営する泉陽興業が事業主体として選定されています。
これまで交通手段の提供がが十分とは言えなかった新港地区(ワールドポーターズ 赤レンガ倉庫、ハンマーヘッド、等々)へのアクセス手段としての活用が見込まれています。
桜木町駅
汽車道上空を行き交うゴンドラ(2)
ところで、YOKOHAMA AIR CABIN は片道数分、数百メートルの移動手段でありながら、運賃は片道1,000円(往復1,800円、ほか観覧車とのセット割引運賃あり)とかなりの強気の価格設定で開業を迎えています。事業にかかるかなりの部分の負担が民間の投資で行われているが故の運賃設定と推測されます。制度上は公共交通の一つの様態とみなされながらも、日常的に、例えば通勤のために毎日利用する、などの目的には整合しにくい交通手段と言えるかもしれません。あるいは、十分な行政のサポートがなければ、公共交通はこのような形(運賃)でしか実現できないとの傍証になるのかもしれません。
もちろん、本事業により便益を受ける人(受益者)と、便益を負担する人(納税者)との整合など、様々に議論の余地はありますが、あらゆる利用者が、気軽に、確実な手段として利用可能な公共交通の実現にはどのような施策が求められるか、継続的にみていく必要があるのでしょう。
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