横浜シーサイドラインでの(仮称)上瀬谷ラインの検討状況
先日の記事から少し時間があいてしまいましたが、横浜市の依頼を受け、相鉄線瀬谷駅と、旧上瀬谷通信施設エリアとを結ぶ新交通システムの運行事業者としての参画を検討している横浜シーサイドラインでは、事業参画可否を内部で検討していはいるものの、進捗芳しくないようです。
米軍跡地の新交通システム、横浜市の三セクが参画可否めぐり初会合(2021年10月 7日、朝日新聞デジタル)
会議は、同社幹部4人に外部の弁護士と公認会計士が加わった計6人で構成。
... 三上社長は朝日新聞の取材に対し、テーマパーク構想の具体案が決まらないなど事業採算性が見通せないとして、「新交通が必要かどうかも含め再検討が必要ではないか」と語っている。
横浜・上瀬谷新交通の参画可否 シーサイドラインが検討開始(2021年10月 6日、カナロコ)
横浜・上瀬谷の新交通 シーサイドライン、市の情報不十分 (2021年10月26日、カナロコ)
同社によると、新交通の採算性などを審議したが、議論の根底となる横浜市からの情報が不十分なため、再回答を求めるという。
... 同社は今月6日の初会合後、市に対し ... 具体的な情報を求めたが、十分な回答を得られなかったという。
先日の繰り返しですが、現時点で第三者に明らかにされている横浜市による跡地利用構想は普遍的な単語を並べるに留まっており、横浜シーサイドライン側が妥当性を判断する環境にない状況が透けて見えます。
都市整備局上瀬谷整備推進課ホームページ
旧上瀬谷通信施設における国際園芸博覧会の開催及び基盤整備に向けた検討について 、市会建築・都市整備・道路委員会に報告しました。(令和3年9月22日)
旧上瀬谷通信施設における国際園芸博覧会の開催及び 基盤整備に向けた取組状況について(建築・都市整備・道路委員会 令和 3年 9月22日 都市整備局)
【参考4】テーマパークのコンセプト
① 全体コンセプト
上瀬谷の自然と共生しつつ、最新テクノロジーを活用し、訪れる方々が夢や希望を享受できる未来のアミューズメントパークを実現し、横浜の新たな一大観光拠点を目指します。
② 基本コンセプト
...
また、(仮称)上瀬谷ラインは「上下分離」の形態で実現する、とのことですが、近年、全国各地で見られる「上下分離」と比較しても「上」すなわち運行事業者側に比較的大きな負担(すなわち事業リスク)を求める、昔ながらの事業スキームのように伺えます。
この事案について、短期的には、横浜市が横浜シーサイドラインに対して求めている11月末までの「回答」内容に関心がいきますが、横浜市側の大きな譲歩がなければ、進捗をみることはなさそうにも伺えます。
長期的には、事業者が安定的に事業を営める、との意味で「持続可能な公共交通政策」を打ち出せていない横浜市の状況が懸念されます。横浜市の公共交通政策に対する本気度、誠実さが問われる状況、とは言い過ぎでしょうか。(H.I.)
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